戦国武将、山中鹿介(しかのすけ)を郷土の英雄として顕彰活動を続ける島根県安来(やすぎ)市の一行23人が6月25日、「清酒発祥の地」として知られる伊丹市鴻池の慈眼寺にある、鹿介の長男、新六幸元の墓参りをしました。
鹿介は毛利家に滅ぼされた尼子家再興を何度も試み、「忠義の武将」「悲運の英雄」などとして後世に語り継がれました。その子、新六は叔父を頼って現在の伊丹市鴻池に落ち延び、武士の身分を捨てて醸造家に転身、全国に先駆けて清酒醸造法を開発して財を成し、子孫は大坂に出て豪商・鴻池家に発展しました。(「伊丹は清酒発祥の地」紹介ページへ)
一行は「山中鹿介の大河ドラマ放映実現をめざす会」(井上幸治会長)の会員ら。尼子家再興に向け各地を転戦した鹿介ゆかりの地を鹿介研究者とともに訪ねるツアーの一環として訪れたもので、慈眼寺では、井上会長ら3人が甲冑姿になり鹿介の生誕地、安来市広瀬町の池の水を新六の墓に捧げたあと全員でお参りしました。
このほか、一行は清酒醸造や鴻池家発展の経緯などを記した伊丹市指定文化財「鴻池稲荷祠碑(いなりしひ)」などを見学したあと、鴻池センターで地元の郷土史研究家や商工関係者らと交流、大河ドラマ実現に向けた署名活動への協力を求めました。鴻池地区住民からは「鹿介は33歳の若さで亡くなった。息子の新六の活躍も含めたストーリーにしてはどうか」などの提案を受けていました。
安来市では今年9月22・23両日に第7回尼子一族全国大集会・戦国尼子フェスティバル、23・24両日に第25回全国山城サミット安来大会がそれぞれ開催され、伊丹市観光物産協会と鴻池商工会は23日の尼子特産市に参加することにしています。
有名な古歌に因んだ「稲野笹原」という名の饅頭や地酒ケーキ、地酒ゼリーなど伊丹らしい菓子4種=写真=がこのほど、JR伊丹駅改札横の観光物産ギャラリーにお目見え、人気を呼んでいます。
黄身餡(あん)をパイ生地で包んだ饅頭「稲野笹原」(税込173円)は、甘露煮にしたキンカンが丸々1個入っているのが特徴。平安時代中期の歌人で紫式部の娘、大弐の三位(だいにのさんみ)が、かつて猪名川沿いに広がっていたササ原に吹く風に想いを込めて詠んだ和歌「ありま山 ゐなの笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする」に因んで命名されました。
他の3種は清酒発祥の地・伊丹に因んだ菓子。伊丹地酒ケーキ「酒蔵通り」(税込140円)は、吟醸酒粕の甘酒餡をサンドした風味豊かなケーキで、地酒ゼリー「酔雫(よいしずく)」(税込150円)、甘酒ゼリー「酔雫」(同)は、地酒や吟醸酒粕をぜいたくに使ったゼリーです。
いずれも伊丹市安堂寺町7丁目にある菓匠 宝樹庵(ほうじゅあん)の製品。「稲野笹原」は箱入り(6個1,145円)も。
伊丹市観光物産協会は6月2・3両日、伊丹市の姉妹都市、長崎県大村市の玖島(くしま)城跡(大村公園)での姉妹都市・友好交流都市物産展に参加しました。
同公園では九州最大級・約30万本のハナショウブが花盛り。梅雨入り後にもかかわらず両日とも晴天に恵まれ、多くの市民でにぎわいました。特に2日には伝統舞踊や武将隊ショーなど多彩なステージ演目を伴う「花菖蒲まつり」が行われ、約25,000人の来場者を記録しました。
物産展には秋田県仙北市、島根県飯南町を含む2市1町が参加。初参加の伊丹市のブースでは、清酒発祥の地PRポスターを掲げるなか、小西酒造と伊丹老松酒造の清酒による振る舞い酒を行ったほか、各種奈良漬けや酒まんじゅう、地酒ケーキ、地ソースせんべいなどを販売、伊丹の観光・物産を大村市民にアピールしました。