古来より日本の人びとにとって小さく儚い「虫」は身近な存在でした。なぜなら、「虫」は日本列島のもつ豊かな自然環境の写し鏡であると同時に、生活のなかに深く息づくものとして、人びとの感性と文化を形成してきたからです。一方で「虫」たちは人びとの暮らしに利活用され、さらには神仏のように崇められ、化け物として畏れられてきました。それは豊穣の恩恵と無慈悲な天災という自然のもつ二面性ゆえであり、伝説、風習、信仰という形で日本の人びとの心に刻まれているのです。
本展では、この日本の文化と歴史のなかにさまざまな形で登場する「虫」について、江戸時代を中心とする美術・工芸・俳諧・歴史の多彩な分野の作品資料約 140 点を通してご紹介いたします。「虫」が主役の物語絵巻や、「虫」をとことん観察して作られた図譜、「虫」を描いたユニークな作品、人のお腹のなかで悪さをする「虫」、そして妖怪として畏れられた「虫」など、実にさまざまな「虫」たちが集結します。日本の人びとが「虫」についてどのように認識し、研究し、愛でてきたのかを多角的に知るとともに、多種多様な「虫」の奥深い面白さを知る機会とでなるでしょう。
ひとあじ違う「虫」展を、ぜひお見逃しなく!
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開催日 | 2024 年 8 月 9 日(金) - 9 月 29 日(日) |
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場所 | 市立伊丹ミュージアム |